チャイニーズニューイヤーとペナンヒルその2
2017/12/29
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「着いたな」
目の前の急勾配を目に、ゆっくり屈伸を始めるわし。
太郎、次郎、ともに言葉すくなだ。
それもそのはず、今日のペナンヒル登山はボタニカルガーデン(ペナン植物園)側からスタート。
ケーブルカー発着駅がある、極楽寺側とは相当離れている。車で20分以上はあるだろう。
つまりボタニカルガーデン側に車で来た時点で、「登りで疲れちゃったから、帰りはケーブルカーにしよ~よぅ~」、などという甘えは許されなくなったのだ!
しかもこの舗装路ルートはペナン日本人学校お楽しみ会で一度経験済み。
ず~~~~~っと舗装路が最後まで続き、しかもその時の登頂時間が約3時間。
現在、11時過ぎ。
どう転んでもお昼ご飯にたどり着くのは2時を過ぎた頃だ。
(子供たちは現在時刻に全く気がついてないけどw)
「舗装路ではあるけど、緑も多く空気も綺麗。登頂する頃には天使のように清らかになるぞ! さぁ、れっつらご~♪」
歩き始めると、子供たちも歌を歌ったり、はしゃぎ出すように。
ただ…、それも5分も持たず。
なぜならこの序盤の急勾配は心臓破りのレベルで全行程の1/5を占め、多くの先人の心とふくらはぎを打ち砕いた難所なのだ。
「はぁはぁ」
太郎、次郎も無駄口を叩かず、黙々と歩みを進める。
「どの位登ったの? 半分くらい?」
標識を見て、子供たちが聞いてくる。
これぞまさに先人の心遣い。
今どの辺りまで登ったか分からないように、やぶってくれている。
ちなみに現在まだ1/5前後だろう…
「もう半分くらいなんちゃう? 二人とも前回よりだいぶ鍛えられているから楽勝だな〜♪」
子供を励ましつつも、心を折られそうになるじゅごん。
「空気が綺麗だな~♪ 植物もLostみたいで面白いし、来て良かったな~♪」
必死に気持ちを別の方向へ向ける…
ぶぅ~~~ん。
そんな時、それは現れたのだ!
車だ。
観光客なのか、山頂のお店の関係者なのか分からないけど、たまに車やバイクが通る。
ぶぅ~~ん。ぶぅ~~~ん。
前回日本人学校で登山したときは時間帯が早かったせいか、まれに車が来る程度だったけど、今日は多い。
「げほげほっ。お父さんの嘘つき! 全然空気綺麗じゃないよぅ~!!!」
不満を漏らす次郎。
「分かるか? それがお前たちが今までオレカバトルで行ってきた業の深さだ」
「分からないよぅ」
泣き言を言いながらも頑張って上る子供たち。
標識も色々ある。
落石注意は分かるけど、隣のはなんだ!?
植物を折って持って帰らないでください? または落木注意か!?
いや、さすがに木は折れないだろ、と思っていた矢先…
なるほど、熱帯系の植物はでかいけど、もろいのだな、と妙に納得。
そして…
落石注意も妙に納得…
ちゅうかどう注意すれば回避できるんや…
最近の雨のせいか、土砂崩れだらけやん!
そして、その後の運命を大きく変える場所に着いたのだった…
「をぉ、横道だ!」
「ほんとだ!」
舗装路からちょっと離れた休憩所の脇から、山の奥へ続く道を発見!
「どうする息子たちよ? このまま決められたアスファルトの道を、働きアリのようにひたすら登り続け、たまに車にぺしゃんこにされるか、横道にそれて人生を棒に振るか?」
「え〜、どっちもダメじゃん!」
「そうだな。どっちもダメかもしれない。ただアスファルトの道を行けばいずれ確実に頂上へはつける。でも排気ガスも多いし、お父さんは登山気分が台無しでかなりいや〜んな感じだ。また横道に入ればもっと早く頂上へつけるかもしれない。もしかしたら見たこともない凄い景色や植物やカブトムシも見れるかもな」(注:ペナン島は暑すぎるためカブトムシやクワガタは生息できませんw)
二人そろって「横道で行こう!」
「をぉ二人とも分かってきたなぁ!!」
「オレカバトルで言うところのEX技でしょ! これは使わないと!!」
その比喩がイマイチ気に入らないが、とりあえず未開の地に夢を求め、横道へ踏み出すことに…
その3へつづく…
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