Surface Go 2 バンパー自作 — 開発記録
じゅごん出版書籍 一覧

3D-Printed Case / Development Log
目次
Surface Go 2
専用バンパー自作
AIと3Dプリンタで、6回作り直して完成させた全記録
✓ Rev.6 — 完成
DEVICESurface Go 2
PRINTERA1 mini
MATERIALPETG
PIECES4 分割
WEIGHT≈ 45 g
REVISIONS6
PERIOD06/17–07/02
市販品には無い、うちのSurfaceだけの専用ケース。きれいに一発では作れなかった——
キックスタンドは開かない、電源は挿さらない、持つと角が手に刺さる。
その失敗と修正の全ループを、実機写真そのままで記録した開発ノート。
00企画:なぜ「バンパー型・4分割」なのか
Surface Go 2の魅力は、背面のキックスタンド。
全体をガッチリ覆うケースは、その良さを殺してしまう。そこで
外周のフチだけを前後のツメ(Cチャンネル)で挟む「バンパー型」に。
画面も背面も開けっぱなしにする。
ただしプリンタ A1 mini の造形範囲は18cm四方。ケースの外周は25cm——
そのままでは入らない。答えは四隅のL字4ピースに分割し、現地で連結すること。
設計はすべて数値から生成するパラメトリック方式にした。この選択が、
後の6回の作り直しを一瞬にする。
パラメトリックの効き目:
「テーパー3mm」「フィレット1.8」——数字を書き換えるだけで4ピース全部が作り直される。
「テーパー3mm」「フィレット1.8」——数字を書き換えるだけで4ピース全部が作り直される。
01リビジョン履歴:6回の試行錯誤
R1
2026 · 06 · 17 — 初版
まず「バンパーの骨格」を形にする
やった前後のツメで挟むC字断面で外周を一周。四隅の合わせ目はハーフラップ+M3ネジで連結。
つまずき継手の受け材がデバイス収納部の内側にはみ出し、Surfaceが入らない状態だった。
結果「デバイス端より外側だけ」に限定して即修正。骨格は完成(4個で約47g)。方向性は正しい。
R2
2026 · 06 · 18
ネジを捨てる — 組木式ジョイントへ
やった側面テーパーに全面密着(内壁を3mm傾斜)。ネジを全廃し、上から落とすと噛み合う「組木式」の継手に。電源/音量ボタン開口も追加。
狙いネジ穴のボスの出っ張りをゼロに。工具いらず・外周フラット。抜けはツメがSurface本体を掴んで防ぐ。
R3実機NG
2026 · 06 · 19 — 実機テスト
キックスタンドの壁
問題印刷して装着 → キックスタンドを開こうとすると、背面側のフチが干渉して開かない。
対策下側2ピース(BL/BR)の背面ツメを、角ごと丸ごと撤去。
結果前ツメ+側面の角の巻き込み+隣との連結の3点で保持は十分。背面は思い切って開放。
R4強度NG
2026 · 06 · 21
電源の干渉 → そして「薄くして逃げる」罠
問題①Surface Connect(電源)に組木ジョイントのブロックが被り、充電ケーブルが挿さらない。
対策①ジョイントを小型化して位置をずらし、電源の開口を+10mm拡大。
問題②干渉を避けようと背面を削って薄くした結果 → ペラペラで指で押すと曲がる。端子まわりは強度ゼロ。
方針転換:「厚みを削って逃げる」のは間違い。
薄くするのではなく、当たる”場所”だけをピンポイントで開ける——この気づきが次で効く。
薄くするのではなく、当たる”場所”だけをピンポイントで開ける——この気づきが次で効く。
R5解決
2026 · 07 · 02
現物合わせの逆襲 — 定規で実測
やった①SurfaceGo2本体の「爪くぼみ」を定規で実測し、同じ位置に開口。ただし壁の背面側だけを窓状に抜き、前面のフチは連続 → 強度を保ったままスタンド爪を引き出せる。
やった②電源部はプラグ本体が入る所を全開に。構造を保つレールは干渉しない前面側へ退避(市販ケースと同じ考え方)。
結果背面クリアランスも詰め、バンパー背面が本体より0.2〜0.7mm凹む。スタンドに物理的に当たらない。
R6完成
2026 · 07 · 02 — 仕上げ
手に優しく — 全周フィレット R1.8
最後の不満機能は完璧。でも外周の角が四角く、持つと手に刺さって痛い。
対策外周のフチをぐるっと一周、R1.8mmで丸める(フィレット)。数値「1.8」を入れるだけで全パーツの角が一斉に丸まる。
結果手当たりが別物に。BL/BRの底縁も丸くなり、スタンド当たりもさらに柔らかく。バックアップ運用も開始。
02数字で見る試行錯誤
| パラメータ | 変遷 | 理由 |
|---|---|---|
| 側面テーパー | 0 → 3.0mm | 斜めの側面に全面密着させる |
| 連結ネジ | 8 → 0本 | 組木式でネジ全廃・出っ張りゼロ |
| ジョイント位置 ysplit | −5 → 0 → +4 | 電源・USB-C・スタンドの三つ巴を回避 |
| 継手ラップ長 | 20 → 16 → 10mm | 電源プラグのためコンパクト化 |
| 背面削り back_trim | 1.5 → 2.5mm | 薄型化の失敗 → 凹ませて解決 |
| 外周フィレット | — → R1.8 | 手当たり改善 |
| 重量(4個・PETG) | 47 → 45g | 各ピース最大137mm(18cm以内) |
03この動画で伝える2つの学び
LESSON 01
AIは対話と修正で真価を発揮する
一発で完璧な物は出てこない。だが「ここがこう当たる」と写真とダメ出しを渡すと、驚く速さで直す。設計が数値だから修正も一瞬。
LESSON 02
当て勘より「実測・現物合わせ」
キックスタンドも電源も爪くぼみも、全部が現物合わせで解決した。画面の中の数字だけでは、絶対にここへは辿り着けなかった。
04完成 — 実機装着ギャラリー
Rev.6 完成版をSurface Go 2に装着。ポート・ボタン・キックスタンドの爪くぼみ、
すべてが機能していることを実機で確認した。(試作色 = PETGレッド)
